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小児医療

発展途上の小児は、疾病や異常により、その後の発育に多くの障害を残しやすい。そこで、小児医療は、伝統的な疾病の治療に限らず、疾病の予防 健康管理を重視してきました。近代の小児医療では、cureよりcareという言葉に象徴される様に、小児の心身の育成を図るという、より積極的な意味をもつ保険学的な考え方で、小児の保健学的な考え方で、小児の保健学、予防学の立場が大きな比重を占めてきています。

小児歯科学

小児は成人を小さくしたものではありません。小児は身体的、精神的、社会的に成長発達の途上にあり成人とは違った特徴、特殊性を有しています。小児の顎口腔系器官においても,その生理的な形態や機能に限らず、疾病や異常の現れ方が成人と異なります、更に発育段階によっても異なります。ですから成人で異常と見られる所見も小児では生理的であることがあります。
小児歯科学とは、発育途上にある顎口腔系器官の正常な発育を見守り、これを障害する虫歯や咬合の異常など口腔疾患や異常の早期発見に努め、これらの疾患の治療や予防を行いながら健全な口腔機能を有する永久歯列の完成へと誘導し管理する事を目的にしております。
その対象となる年齢は全ての永久歯歯根の発育及び永久歯列咬合が完成し、顎口腔系に関連する全ての器官が完成する20歳までである。

小児予防歯科

子供の歯(乳歯)は成人の歯(永久歯)よりも歯の表面のエナメル質が極端に薄く、神経の空洞(歯髄)が大きい特徴があります。わかりやすく言えば乳歯は永久歯に比べ虫歯になり易いだけでなく、すぐに神経の空洞まで虫歯が進行し歯髄炎になってしまいます。そうなると後続永久歯(乳歯が抜けた後に生えてくる永久歯)が、虫歯になった状態で生えてきたり、奇形になったりするリスクが高まります。そこで乳歯の虫歯を予防することで最も大切な永久歯を守る事につながります。
予防の方法は日々の歯磨や砂糖菓子、ジュース等の虫歯になりやすくする食品の摂取の頻度を押さえたり、食べたら磨く、また夜寝る前には食べない等、生活習慣の改善もとても大切です。また骨格の成長を予測し正しい歯並びを誘導することも、予防歯科の重要な役割の一つと言えます。下顎の過成長や上顎の劣勢長は、予測出来れば対応可能です。
この様に子供の歯の予防をしっかり行う事は、大人になった後の永久歯に多大なる影響を及ぼします。

初診 定期健康診査


診査
1.一般診査(全身、顔貌、口腔、歯列、歯)
2.歯列模型印象採得
3.レントゲン(口内法、セファロ、パントモ)
4.顎運動 機能検査
5.保育 環境調査
6.栄養 食習慣調査
7.口腔内の清掃状況調査

診断
1.疾病診断
a全身健康状態の評価
b口腔難組織疾患の診断
c硬組織疾患の診断
2.発育 咬合診断 顎顔面の骨格系の発育の評価
a歯列の発育の評価
b歯の発育の評価
c神経 筋肉の機能系の発育の評価
d顎顔面 歯列の発育予測
e歯の石灰化 萠出 交換の予測
3.口腔機能診断
4.予防診断(栄養食習慣 口腔内清掃)
管理
1.治療計画(疾病処置、咬合誘導)
2.健康管理計画

管理計画の決定後
処置開始〜処置終了
予防指導〜予防処置
定期健康診査教育


歯の発育

人の歯の発育は口腔の内面を覆う上皮から、歯胚が形成されることにより開始される。この歯胚は外胚葉から由来したエナメル器と、間葉から由来した歯乳頭および歯小襄からなる。エナメル器は歯のエナメル質を、歯乳頭は歯髄と象牙質を、そして歯小襄はセメント質と歯周靭帯とを形成する。歯種により、その発生、発育段階の時期は異なり、胎生の約6週のころ乳中切歯の歯胚形成に始まり、生後18〜25年の第三大臼歯歯根の完成まで、途中乳歯と永久歯の交換という現象を経て持続的に行われ、たえず咀嚼機能を中心とした口腔機能に関与している。


人の歯の成長時期

  歯種 歯胚形成 石灰化開始 出生時の
歯冠成量
歯冠完成 歯根完成



中切歯 胎生7週 胎生4〜4.5ヶ月 5/6(上顎)
3/5(下顎)
1.5〜2.5ヶ月 1.5年
側切歯 胎生7週 胎生4.5ヶ月 2/3(上顎)
3/5(下顎)
2.5〜3ヶ月 1.5〜2年
犬歯 胎生7.5週 胎生5ヶ月 1/3 9ヶ月 3
第一乳臼歯 胎生8週 胎生5ヶ月 咬頭 5.5〜6ヶ月 2.5年
第ニ乳臼歯 胎生10週 胎生6ヶ月 咬頭頂 10〜11ヶ月 3年








第一大臼歯 胎生3.5〜4ヶ月 出生時 痕跡 2.5〜3年 9〜10年
中切歯 胎生5〜5 3〜4ヶ月 0 4〜5年 9〜10年
側切歯 胎生5〜5.5ヶ月 10〜12ヶ月(上顎) 0 4〜5年 10〜11年
    3〜4ヶ月(下顎)      
犬歯 胎生5.6〜6ヶ月 3〜4ヶ月 0 6〜7年 12〜15年
第一小臼歯 出生時 1.5〜2年 0 5〜6年 12〜13年
第ニ小臼歯 7.5〜8ヶ月 2〜2.5年 0 6〜7年 12〜14年
第ニ大臼歯 8.5〜9ヶ月 2.5〜3年 0 7〜8年 14〜16年
第三大臼歯 3.5〜4年 7〜10年 0 12〜16年 18〜25年



歯の形成障害

1.歯数の異常

歯は成長期の初期、すなわち開始期から増殖期にかけて障害を受けると、まったく形成されなかったり、部分的にしか形成されない場合と、正常の歯数よりも多く形成されるなど歯数の異常を起こす。

a.欠如歯
歯は外胚葉から由来のエナメル器と、間葉由来の歯乳頭および歯小襄からなる。これらの発育異常により歯胚がすべて欠如している場合を全部性無歯症、部分的にしか形成されない場合を部分的無歯症という。多数歯の欠如は遺伝的な傾向が高いように思われる。その他、外胚葉異形成症、内分泌疾患、クル病、放射線障害、妊娠中の母体栄養欠如なども考えられる。少数歯の欠如は系統発生学的な退化現象で、好発部位がみられる。乳歯では下顎乳側切歯、永久歯では上・下顎の第三大臼歯、上顎側切歯、下顎第二小臼歯が欠如する頻度が高い。

b.過剰歯
歯の発育の開始時に歯堤が歯蕾に分化し、エナメル器を形成する際、正常な数よりも多くエナメル器ができた場合、過剰歯が出現しる。乳歯列、永久歯列ともに上顎正中部に過剰歯(正中歯)が認められる頻度が最も高く、しばしば正中離開の原因となっている。乳歯の過剰歯はきわめてまれで永久歯の方が多い。下顎では第一大臼歯の近心頬側にみられる臼旁歯、第三臼歯後方に出現する臼後歯などの過剰歯がある。これらの過剰歯はすべて歯列内に萌出するとは限らず、萌出余地不足や萌出方向が逆のため、顎骨内にとどまっているものも認められる(埋伏過剰歯)

2.形態の異常

歯は歯種によって一定の形態をとっているが、成長期の形態分化期に障害を受けると、大きさや形の異常が歯冠、歯根、歯髄腔に現れる。

a. 歯冠
1)巨大歯:異常に大きく形成された歯。

2)矮小歯:異常に小さく形成された歯。
円錐歯(柱状歯)も一種の退化形で、上顎側切歯に歯冠の萎縮形として認められることが多い。乳歯では下顎乳側切歯、下顎乳犬歯に発育葉の不全として認められる。

3)ハッチンソン歯(Hutchinson's tooth):先天性梅毒に起因し、上顎中切歯切縁の半月状の凹みと洋樽状の歯冠として現れる。臼歯に現れた場合、一般には柔実臼歯、苺状歯と呼ばれ、ムーン歯(Moon's tooth)またはフルニエ歯(Fournier's tooth)ともいう。

4)結節の異常:形の異常は結節の異常発達による場合が多い。乳歯にみられる異常結節には乳前歯舌側にみられる切歯結節(基底棘)犬歯結節がある。また上顎乳臼歯の頬側面にある突起上の臼旁結節、上顎第二乳臼歯の近心舌側咬頭の舌側にみられるカラベリー結節、下顎乳臼歯近心頬側部にみられるプロトスチリッド(protostylid)などがある。その他、異常隆線、過剰咬頭の出現によって形の異常をきたすことがある。

5)瘉合歯:2個または数個の歯が互いに結合したものを総称して癒合歯という。正常な2つの歯胚が発育中に結合し、歯髄腔が互いに連絡しているものを癒合歯(挟義の)。セメント質の増殖により歯根部が結合したものを癒着歯、1つの歯胚が2つに分裂して形成されたものや正常歯と過剰歯の歯胚が結合したものを双生歯という。

b.歯根
歯根はそれぞれの歯の基本型が示されているが、発育異常を起こすと過剰根(根分岐、副根)や根の癒合(樋状根、台状根)、彎曲、屈曲、長さの異常などが認められる。

c.歯髄腔
臼歯の根が根尖の方まで癒合し、歯髄腔が大きく長く根部にまで及び、根部歯髄がきわめて短い歯が認められる。これを長胴歯(taurodont)という。

d.その他
1) 歯内歯:象牙質の一部がエナメル質とともに、歯髄腔内へ陥入している奇形歯。

2) エナメル滴:歯根部における異所性で限局性に形成されたエナメル質。

3) セメント粒:歯根膜内にある結節状の石灰化物がセメント質の増殖などのために歯根と癒着あるいはセメント質内に封入されたもの。

3.構造の異常

歯の発育段階のうち、組織文化期、添加物および石灰化期に障害を受けると、歯質の構造の異常が現れる。異常が現れる大きさ、程度は、発育の初期、とくに基質が形成されている時期に障害を受けた場合ほど、大きな形成異常を招く。

a. エナメル質
組織分化期の基質が形成されている時期にエナメル質形成不全(amelogenesis imperfecta)が生じる。添加期に障害を受けるとエナメル質減形成(enemel hypoplaia)が、石灰期に障害を受けるとエナメル質石灰化不全(エナメル質低石灰化:enemel hypocation)が起こる。

1)エナメル質形成不全:遺伝性疾患による場合が多く、すべての歯のエナメル質に形成不全が認められる。

2)エナメル質減形成:障害の原因が全身的なものの場合には、障害を受けた時期に形成されつつあるすべての歯のエナメル質に減形成が現れる。局所的な原因の場合には、数歯に限ってエナメル質減形成が認められる。

3)エナメル質石灰化不全:遺伝性疾患による場合が多い。基質は正常に形成されるが石灰化が障害を受け、その結果エナメル質の硬度が低くなる。

b.象牙質
組織分化期に象牙芽細胞が障害されると、象牙質形成不全をきたす。象牙質形成不全症(deninogesis imperfecta)は常染色体性優性遺伝として遺伝する疾患である。赤褐色もしくは灰紫色の透明度の高い歯冠色を示し、乳歯においては署明な咬耗を認める。歯根は細長く、X線像では歯髄腔が異常に小さく、確認しづらい場合もある。

4.色調の異常

乳歯は青白色、永久歯は帯黄白色が一般的な色とされているが種々な原因により特徴ある異常な色択を示すころがしばしば見受けられる。

@重症新生児黄疸にみられる青緑色まれに褐色歯。

A新生児赤芽球症にみられる黄金、青、青緑歯。

Bポリフィリン症にみられるピンク、暗赤色歯。

Cテトラサイクリン系抗生物質服用による蛍光を伴う黄ないし褐色歯、灰白色ないし黒 色の歯。

D象牙質形成不全症にみられる灰青、淡褐色歯。

E新生児メレナにみられる青色歯。

F嚢胞性線維症にみられる黄灰白色から濃い褐色までの歯。

G外傷など歯髄壊死に伴う灰褐色歯。

H乳歯根の外傷や炎症による永久歯にみられる白斑、褐色斑。  

Iその他、歯口清掃不良により歯の表面への沈着物による変色歯。

5.その他の異常

a. エナメル上皮腫
外胚葉性のエナメル器由来の歯原性腫瘍で、周囲組織との境界明瞭な大小さまざまな大きさの嚢胞(一般には鶏卵大かそれ以上)を形成する。下顎臼歯部から下顎角部にかけて多く発現する。いずれの年齢にも発現するが、とくに20?30歳代が多い。膨張性の発育を営むため、顎骨は内部から吸収され、骨皮質は薄くなり羊皮様感を呈する。X線像では多房性、または単房性の透過像を示す。

b.歯牙種
歯の硬組織であるエネメル質、象牙質、セメント質を主体とする腫瘍状増殖物で、歯の硬組織が不規則に混在して一塊となっているものを
複雑性歯牙種、腫瘍塊を形づくっている小さな石灰物が歯と同様な構造を示しているものを集合性(複合性)歯牙腫という。
10?20歳代に多くみられ、乳歯に関係あるものよりは永久歯群に関連して生ずるものが多い。好発部位は複雑性歯牙腫の場合下顎大臼歯部、集合性歯牙腫は前歯部である。

c.上皮真珠
歯胚の発育段階で、歯堤を形成する上皮細胞の一部が中胚葉組織内に残留し、それが角化したもの。生後数ヶ月の乳児の下顎前歯部の歯肉に、黄白色の半球状の真珠様隆起物として認められる。数週間ないし数ヶ月以内には吸収され、自然消失するもので病的意義はない。

6.歯の発育時期と形成障害

歯の形態は、歯の発育段階のうち一定の時期に障害を受けると、発育中の細胞や組織が影響を受けて特徴的な異常を呈するものである。 形成障害の状態は、発育の初期であるほど著しく現れる。

7.形成障害の原因

a.全身的

1) 栄養障害:ビタミンA、C、D欠乏、カルシウム、リン欠乏によるエナメル質の形成障害。

2) 脳貧血、神経障害:脳性麻痺児に形成不全歯の出現頻度が高い。 

3) 内分泌障害:腎疾患児に形成不全を認める。

4) 慢性鉛中毒:エナメル質の小窩状形成不全を認める。

5) フッ化物の影響:フッ化物を含む飲料水を過剰に長期間接種すると、歯表面には白濁不透明な線や縞模様が出現する。重症な場合には茶褐色で実質欠損を伴うことがある。このような歯を斑状歯という。

6) 先天性梅毒:ハッチンソン病。

7) 胎児性風疹:風疹の子宮内感染によりエナメル質に形成不全をきたす、また円錐歯の発現頻度も高い。

8) 遺伝:エナメル質形成不全など。

b.局所的

1) 炎症:エナメル上皮が炎症性の浮腫や肉牙により破壊される。乳歯の根尖病巣、局所感染による後継永久歯のエナメル質減形成をターナー歯という。

2) 外傷:乳歯に加わった外傷は後継永久歯の形成や石灰化を障害する。エナメル質の白班形成。

3) 放射線照射:発育中の象牙質にとくに影響がみられる。歯根の発育の停止。

c.歯の萌出
歯は発育段階の添加期に基質が形成され、石灰化期に石灰塩が沈着して歯質の硬度が増し、ほぼ歯冠が完成するころ、セメント芽細胞がセメント質をつくり、歯根の形成がはじまる。歯根の形成につれて、歯は歯槽骨内で口腔上皮に向かって移動しはじめる。これを歯槽骨内萠出という。その後も歯は移動を続け口腔粘膜を破り、以後、対合歯に接触するまで移動する。この現象を歯の萌出という。

歯の萌出機序

歯の萌出運動の原因には次の四つが考えられる。

@ 歯根の発育:増殖を続ける歯根が基底に突き当たり、根尖の方に向かっていた力が口腔上皮の方に転換される。
A 血管・組織液の圧力:組織液の圧力が根尖周囲で局所的に増大する。
B 骨の成長:骨の改造による選択的な骨吸収と骨添加。
C 歯周靭帯の牽引:歯周靭帯の細胞と線維が歯を咬合させる様にたえず牽引している。

乳歯の萌出時期と順序

乳歯の萌出は、下顎乳中切歯より始まる。その後、萌出順序に男女の違いは認められない。左右差が認められるのは男子の下顎乳臼歯で、下顎第一乳臼歯は右側、下顎第二乳臼歯では左側がやや早期に萌出する傾向がある。男女差は、男子の下顎乳中切歯が女子よりも早く萌出する。


永久歯の萌出時期

永久歯は下顎中切歯から萌出を開始する。ついで下顎第一大臼歯、上顎第一大臼歯、上顎中切歯の順である。左右差が認められるのは男子で、上顎中切歯は左側が、下顎犬歯は右側が早く萌出する。男女差を上・下顎別にみると、上顎第一大臼歯を除き、女子の方が早く放出。